神戸物語12 (転載禁止)メイのお母さん編

メイと亜希子さんがお店の中で会話をしていると
奥から赤いカットソーを着たうちのお母さんが出てきました。

はい。メイと私・アンの母です。
ここでちょっとうちの母の紹介をしますね。

母はベトナムホーチミン市出身で
十人姉弟の長女として生まれ育ちました。


母は優しくて笑顔がとても素敵なんです。

若い時はすんごく美人で(今も綺麗ですよ)「もてた」んだそうですよ。

そして大学の講師をしているお父さんに
見染められて結婚したんだと聞いています。

美男・美女のカップルだって村では
評判になったんだとか。

そして父についてベトナムから日本まで
母はやってきたんですよね。

日本へ行く事、ただ旅行するのではなく『移住』するんですからすんごく勇気がいったと思います。
私達も一緒についてきた訳ですけれど、
お母さん、慣れない日本で大変だった時も
あったと思うのに、いつも笑顔で私達に
接してくれていました。

あっ、母が亜希子さんの姿に
気づいて何か話していますよ。
家族の中ではいつもベトナム語
使って会話しますが、
日本にいる以上、商売をする以上、
やはり日本語を話す必要がいりますよね。


母は、四十代で日本語を覚えたんです。
少し訛りはありますが、日常には差し支えが
ないくらいの会話が出来ます。


「亜希ちゃん、元気?
よく来たね。」

母が笑顔で亜希子さんに語りかけています。

「こんにちは。元気です。」

亜希子さんも笑顔で答えています。

「メイ、そこの冷蔵庫に冷たいお茶が
入っているから亜希ちゃんに出してあげなさい。」


「あっ、すみません。おかまいなく。

ありがとうございます。」

亜希子さん、母に頭を下げています。

外はとても暑かったでしょう。

エアコンの効いた店内で涼んで
暫く、ゆっくりして下さいね。

 

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神戸物語 11(転載禁止)メイの高架下にあるお店編

 

「亜希ちゃん、実はな、今晩、神戸港で花火大会があるんやでぇ。私も今年、初めて見るんやけど
見に行かへん?めっちゃ綺麗らしいで。」

メイがキラキラと目を輝かせて、「花火大会」の
話をし始めました。


亜希子さんも同じように目をキラキラ輝かせて

「ええ?!花火。そうなん。行く!行く。
見に行きたい。」
と答えています。


「良かった。そうしたら夕方から見に行こな。
うーん、それまで五時間程時間がある。
亜希ちゃん、何処か行きたいところある?」

メイは先ほどから亜希子さんの目をじっと見つめて話していますよ。


「ううん、私、神戸初めてだから、メイちゃんに
任すよぅ。」

「そうか。そうだね。
よし、それまでうちのお店にいよかぁ。
めっちゃ珍しい物がいっぱいあるんやで。
亜希ちゃん、見にくる?」


「うん!行きたい。行く、行く。」


そんな会話が続いた後、どうやら私達家族が
元町高架通商店街に経営しているお店に
向かう事に二人は決めたようです。

元町高架通商店街とは、通称、「モトコー」
「高架下」と呼ばれるJR・阪神元町駅神戸駅間の高架下で運営されている商店街の事を言い、
「一」から「七」まであります。

「一」は元町駅から始まって「七」の神戸駅で終わります。

うちはその「四」に店舗を構えています。

ベトナムや中国・台湾などから仕入れ
骨董品等を沢山取り揃えています。

お姉ちゃんのメイが話ていたように
とっても珍しくて綺麗な品物が沢山あると
思いますよ。

どうぞ皆様も宜しかったら、お越しくださいね。

お待ちしています。

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神戸物語 10(転載禁止)神戸 元町 高架下編

「亜希ちゃん、実はな、今晩、神戸港で花火大会があるんやでぇ。私も今年、初めて見るんやけど
見に行かへん?めっちゃ綺麗らしいで。」

メイがキラキラと目を輝かせて、「花火大会」の
話をし始めました。


亜希子さんも同じように目をキラキラ輝かせて

「ええ?!花火。そうなん。行く!行く。
見に行きたい。」
と答えています。


「良かった。そうしたら夕方から見に行こな。
うーん、それまで五時間程時間がある。
亜希ちゃん、何処か行きたいところある?」

メイは先ほどから亜希子さんの目をじっと見つめて話していますよ。


「ううん、私、神戸初めてだから、メイちゃんに
任すよぅ。」

「そうか。そうだね。
よし、それまでうちのお店にいよかぁ。
めっちゃ珍しい物がいっぱいあるんやで。
亜希ちゃん、見にくる?」


「うん!行きたい。行く、行く。」


そんな会話が続いた後、どうやら私達家族が
元町高架通商店街に経営しているお店に
向かう事に二人は決めたようです。

元町高架通商店街とは、通称、「モトコー」
「高架下」と呼ばれるJR・阪神元町駅神戸駅間の高架下で運営されている商店街の事を言い、
「一」から「七」まであります。

「一」は元町駅から始まって「七」の神戸駅で終わります。

うちはその「四」に店舗を構えています。

ベトナムや中国・台湾などから仕入れ
骨董品等を沢山取り揃えています。

お姉ちゃんのメイが話ていたように
とっても珍しくて綺麗な品物が沢山あると
思いますよ。

どうぞ皆様も宜しかったら、お越しくださいね。

お待ちしています。

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神戸物語 9 (転載禁止)メイと亜希子の再会編

「亜希ちゃ〜ん」

この声はお姉ちゃんの「メイ」の声です。

お家を出て約四十分。
亜希子さんとの待ち合わせ場所に
やっと辿り着きました。


お姉ちゃん、走ってきたのかな?


はぁ、はぁ、と息を弾ませながら

「ごめん、遅くなってごめんよぅ。
待たせて、ほんまごめんね。」

と亜希子さんに言っています。

だいぶ息が上がっているようですよ。

「ううん、私も今、着いたとこ」
と亜希子さん、ニッコリ笑顔で
答えてくれました。

四ヶ月ぶりに再会したメイと亜希子さん。

先ほどからお互いに手を取り合って
ゆっくりと言葉を噛み締めながら
話ています。


「亜希ちゃん、元気だった?
お父さんやお母さんは元気?
姫路は変わりない?」


「うん。元気だよ。みんな元気。
変わりないよ。
メイちゃんは?メイちゃんは元気?
皆さん、元気?」


「うん。うちもみんな変わりないよ。
みんな元気にしてる。
今日はゆっくりしていってね
こちらに来てくれてありがとう。」


「こちらこそお呼ばれありがとう。
今日一日、宜しくね。」


メイや私達一家が、神戸に引っ越しを
するまで亜希子さんとメイは中学生時代
いつも行動を共にし、会話をしていました。
はたから見ていても、本当に仲良しの
二人でしたよ。

それが、四ヶ月、離れ離れになっていたのですから、とても寂しかった事でしょうね。


四ヶ月って短い期間のようですけど、
二人にとっては長かったはず。

メイと亜希子さんが再会出来て私、とても嬉しいです。

私も亜希子さんのお顔が見れて良かった。

 

今日は神戸の港で花火大会が開催されます。

メイは亜希子さんを連れて花火大会に行くと
昨夜話ていました。

神戸の夜空に何万発の花火が打ち上げられます。


きっと素晴らしい夜・思い出になるはず。

では皆様、次回に。

ご機嫌よう。

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神戸物語 8 (転載禁止)亜希子、神戸・元町へ到着編

こんにちは。「メイ」の妹の「アン」です。
神戸での幕の語手は私が担当させて頂きますね。
よろしくお願い致します。

亜希子さんは、今、ちょうど元町駅に到着したところです。

電車のドアが一斉に開いた途端、乗降する人々が溢れ出し、その人の多さを見て亜希子さん、

「この人の多さはなんなのう??
これじゃぁ、出口が何処にあるのか
見えないよぅ。わからない。」
と驚いて不安気にオロオロしています。


私も何度か元町駅を利用していますが、この人の多さにはなかなかなれません。

はじめてこの駅に降りたった亜希子さんならなおさらの事でしょう。


「あっ、出口って書いてある。こっちや。」
亜希子さん、なんとか改札へ通じる階段を見つけて慌てて走って降りていきました。

元町駅の階段は石畳で出来ています。
亜希子さん、滑りやすいので気をつけて
降りて下さいね。


改札を出ると、すぐ左手に出口があります。
本当ならお姉ちゃん「メイ」がそこで待っているはず。


しかし、いない。

亜希子さん、また、出口でもキョロキョロ、
アタフタしだしました。
「ここ出口だよね。あれ?違うのかな?
待ち合わせ時間、十一時だよね。メイちゃん、いないよぅ。」
時間は十一時を少しまわっています。

元町駅の入り口前にはJRAがあり、スポーツ新聞を持った伯父さん達で周辺が溢れていて
亜希子さん、その光景を見てちょっと緊張したようです。
お姉ちゃん、まだかな?

今日は快晴。真夏日です。
お出かけにはもってこいの一日になりましたね。


お姉ちゃん、早くこないかな?
亜希子さん、汗だくになって待っていますよ。

 

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神戸物語 7 (転載禁止)メイの妹、アンの登場編

皆さん、こんにちは。
お元気ですか?
「メイ」の妹、「アン」です。
今日、亜希子さんが姉の「メイ」に会いに
元町に来られます。

姉のメイは、いつもより一時間ほど
早起きして準備していました。

「この服どう?あっ、あんたのその服貸して!」

私達、姉妹は服のサイズも趣味も似ているので
よく兼用して服を着ます。
いつも出かける時は、服を取っ替え引っ替えして
着るのですが、いつのまにか目の前に
衣服の山が出来ていて、片付けに一苦労するのです。
今日も朝から姉は服を取っ替え引っ替えしていますよ。
その様子を見て、なんだかおかしくて
私、笑っちゃいました。

神戸に引っ越して来てから、
洋服を購入する機会がとても増えましたね。

なんていったって、神戸は「ファッションの都市」ですから。
お洒落な洋服がいっぱい販売されています。
あっ、うちのお店にも洋服、売っています。
ベトナムから輸入した「アオザイ」。

ベトナムの民族衣裳です。
日本人の皆さんにもとても似合うと思います。
また、一度、着てみてください。
素敵ですよ。

メイは今日は花柄のピンクのワンピースを
着ると決めたようで、片付けもそこそこに
先ほど慌てて、家を出て行きました。

十一時に元町駅の改札前で、亜希子さんと
待ち合わせ。
もう、十時半です。
お姉ちゃん、間に合うのかな?
気をつけていってらっしゃい。

 

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神戸物語 6 (転載禁止)電車の車窓から編

その美しい海は「明石海峡」と呼ばれます。
皆さん、ご存知ですか?
あの古典で有名な紫式部原作の「源氏物語」と
言うお話。
(勿論、ご存知ですよね?)

その主人公・「光源氏」が若かりしき頃、
罪をおかしこの地、「明石」「須磨」に流されるのです。
私等はそんな歴史ロマンを思い出し、この地を見るのですが、亜希子ちゃんはどうでしょう?

先ほどからじっと海に魅入ってしまっています。
よほど海の美しさが心に響いたのですね。

海だけでなく、近くには「須磨離宮公園」もありこのあたりはとても素敵な場所なんです。

皆さんもまた、機会があれば一度お越し下さいね。

そして、十分程経過すると車窓の景色が瞬く間に、街の光景へと変化していきます。
そうです。やっと目的地の「神戸」に到着したのです。
「わぁ、神戸だ。神戸だ。」
亜希子ちゃんは身を乗り出して大きな声で
話しています。

後、一駅で待ち合わせ場所の「元町」駅。
メイちゃんが駅の改札口前で待っています。

 


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<a href="http://www.kobe-park.or.jp/rikyu/">須磨離宮公園</a>

 

<a href="http://umion.la.coocan.jp/genji/genji.htm">源氏物語・明石、須磨編/a>f:id:enkei4616579:20161227202533j:image